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2026/10/29山林の値段は木では決まらない——相続した山を売る前に見る、道・傾斜・境界【茅野市・原村】
山林の値段は木では決まらない——相続した山を売る前に見る、道・傾斜・境界【茅野市・原村】
「山なんて、どうせ売れないでしょう」。山林を相続した方から、最初によく聞く言葉です。
結論から申し上げます。相続した山林は売れます。そして値段は、生えている木ではなく、その土地が何に使えるかで決まります。 農地と違って買い手の資格を問う許可もありません。止まるとすれば、「どこにあるか分からない」「境界がはっきりしない」「道がない」という、土地そのものの事情です。
この記事で分かること
- 山林は誰に、どんな手続きで売れるのか
- 山林の値段が何で決まるのか
- 「売れない」と言われた山林に、何ができるか
相続した山林は、誰に売れるのか?
どなたにでも売れます。農地のような売買の許可はありません。
| 山林 | 農地(参考) | |
|---|---|---|
| 売買の許可 | 要らない | 農地法3条・5条の許可が要る |
| 買える人 | 制限なし | 耕作する人/転用の計画が認められた人 |
| 売買のあとの手続き | 買主が市町村へ所有者の届出(90日以内)※ | 許可が下りてから所有権を移す |
| 時間を決めるもの | 場所・境界の確認と、買い手探し | 月1回の農業委員会の総会 |
※広い山林で国土利用計画法の届出を出した場合は、所有者の届出は要りません(よくある質問を参照)。
木を伐るかどうかは、買う側の使い方で決まります。売る前に伐っておく必要はありません。
売り出す前に、済ませておくことは?
相続登記と森林の所有者届出、そして「その山がどこにあるか」の確認です。
- 相続登記——2024年4月から義務。取得を知った日から3年以内。これを経ないと、買主へ所有権を移す登記ができません。
- 森林の土地の所有者届出——相続で所有者になった日から90日以内に、山林のある市町村へ。遺産分割が済んでいなくても、相続人の共有として届け出ます。面積の大小は問いません。怠ると10万円以下の過料の対象です。
- 場所の確認——手元にあるのが固定資産税の納税通知書だけ、というのは珍しくありません。地番から公図と登記を取り、役所で地図を確かめ、現地で隣の方に話を聞いて、一筆ずつ場所を突き止めます。
山林の値段は、何で決まるのか?
木の値段ではなく、その土地が何に使えるかで決まります。
まず、林業の山として見たときの値を押さえておきます。日本不動産研究所の調査(2025年3月末)では、全国平均の山林の土地の値段は10aあたり用材林地で40,533円、薪炭林地で28,567円。1,000坪(約33a)なら9万〜13万円ほどです。立木もスギで1㎥あたり4,026円と低く、前年からさらに下がっています。
ただし、これは木を育てて出す山の値です。この地域の山林の値決めの基準ではありません。 八ヶ岳西麓では、山林が「暮らしの土地」として読めるかどうかで値が変わります。私が査定で現地に立って見るのは、次の四つです。
- 道:車が入れる公道に面しているか
- 傾斜:家や畑を置ける平らさがあるか
- 境界:隣との境が確かめられるか
- 集落・別荘地との距離:電気が引けて、暮らしの便が届く場所か
この四つは、データだけでは読めません。だから必ず現地を見てから値を出しています。
「売れない山林」と言われたら、どうするか?
一筆ずつ、「買い取る」「隣へつなぐ」「いまは動かさない」に分けます。
- 買い取る——道と傾斜がそろい、暮らしの土地として整えられるもの。当社は山林の自社買取を中心に扱い、伐採と整備をして、住まいの土地として次の方へお渡ししています。単独では値がつかない山林も、下の畑や隣の宅地と合わせると値が出ることがあります。伐採届や測量の手配も自社で進めます。
- 隣の方へつなぐ——奥にあって道がなくても、隣の方なら使い道があることがあります。
- いまは動かさない・国に引き取ってもらう——2023年に始まった相続土地国庫帰属制度は山林も対象です。負担金は面積で決まり、1,500㎡で約27万円の例が示されています。ただし境界がはっきりしない土地は申請できず、審査手数料も一筆14,000円かかります。無理に動かさず、持ち続けると決めるのも一つの判断です。
土地ごとに売り方を選べます。 相続した山林が何筆もあるなら、全部を同じ道に乗せる必要はありません。
境界が分からない山林でも、売れるのか?
売れることがあります。 三十年誰も足を運んでいない山林でも、測量士と現地を歩いて境を確かめ、当社で買い取った例があります。ただ測量には費用も時間もかかるので、先に手放し方を決め、それに必要な分だけ調べるのが早い順番です。
境界が分からない山の整理の仕方は、山林専門サイトの記事が詳しいです。
八ヶ岳ライフが扱わない山林の相談は?
山を伐って太陽光発電を置く計画、投資や転売だけを目的とした売買のご相談は、お受けしていません。 お取り扱いは、茅野市・原村の山林に限っています。
1分無料査定:https://www.yatsugatake-life.com/search-sell
よくある質問
Q. 木を伐ってから売ったほうが、高く売れますか? 多くの場合、伐らずにそのまま売るほうが合っています。伐るには伐採届と費用がかかり、どこを伐るかは買い手の使い方で決まります。立木の値段も低いため、先に伐って値が上がることはあまり期待できません。当社が買い取る場合、伐採届は当社で出します。
Q. 広い山林をまとめて売るとき、届出は要りますか? 一定の広さを超えると、国土利用計画法の届出が要ります。都市計画区域のうち市街化区域以外では5,000㎡以上、区域の外では10,000㎡以上の取引で、買主が契約から2週間以内に届け出ます。許可ではなく届出なので、これで売れなくなるわけではありません。
Q. 遠方に住んでいて、現地に行けません。 現地の確認は当社で行います。納税通知書か地番が分かれば、場所の特定から始められます。
Q. 固定資産税がほとんどかからない山林でも、手放したほうがいいですか? 急ぐ必要はありません。ただ、場所が分からないまま次の世代へ渡ると、同じ調べ直しが繰り返されます。相続のときは、場所だけでも確かめておく良い機会です。
出典
- 森林の土地の所有者届出(所有者となった日から90日以内・面積を問わない・相続で未分割の場合は共有として届出・国土利用計画法の届出をした場合は不要):森林法第10条の7の2、林野庁「森林の土地の所有者届出制度」
- 伐採及び伐採後の造林の届出:森林法第10条の8
- 国土利用計画法の事後届出(市街化区域以外の都市計画区域5,000㎡以上・都市計画区域外10,000㎡以上・契約締結日を含め2週間以内・権利取得者が届出):国土利用計画法第23条、長野県「土地利用関係法令」
- 山林素地価格(全国平均・普通品等10a当たり 用材林地40,533円・薪炭林地28,567円)・山元立木価格(スギ1㎥当たり4,026円・前年比2.4%下落):日本不動産研究所「第84回 山林素地及び山元立木価格調」(2025年3月末現在、2025年10月30日公表)
- 相続土地国庫帰属制度(森林は面積に応じ算定・1,500㎡で約27万円の例・境界が明らかでない土地は却下・審査手数料一筆14,000円):法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」
- 相続登記の申請義務化(2024年4月1日施行・3年以内):法務省

