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2026/09/18相続した農地は誰に売れるのか——耕す人へつなぐか、転用して売るか【茅野市・原村】
農地は農家にしか売れないのか——相続した畑・田の、二つの売り方【茅野市・原村】
「農地は農家にしか売れないと聞きました」——相続した畑や田について、こう言われて止まっている方がいます。
結論から申し上げます。相続した農地は売れます。ただし売り方が二通りに分かれ、どちらの道に乗るかで、誰が買えるか・どれくらい待つか・いくらになるかが変わります。 農地のまま耕す人へつなぐのか、転用して売るのか。この見分けを先につけるのが、いちばん大事な一歩です。
相続した農地には、どんな売り方があるのか?
「農地のまま耕す人へ売る」と「転用して宅地などとして売る」の二通りです。どちらになるかは、持ち主の希望ではなく土地の場所と条件で決まります。
| 農地のまま売る | 転用して売る | |
|---|---|---|
| 必要な許可 | 農地法3条 | 農地法5条 |
| 買える人 | 農業を営む方・これから営む方 | 制限なし(許可された計画の範囲で) |
| 時間を決めるもの | 月1回の農業委員会の総会 | 総会+転用の審査(青地は農振除外が先) |
| 期間の目安 | 申請からおおむね1〜2か月 | 順調で2〜3か月。青地はさらに半年〜1年以上 |
| 当社の関わり方 | 耕す方へ仲介でつなぐことが多い | 買い取って住まいと合わせて整えることがある |
「宅地として高く売りたい」と望んでも、転用が認められない場所なら農地のまま売るしかありません。逆に、転用できる畑を農地のまま安く手放す必要もありません。
売り出す前に、済ませておくことは?
相続登記と、農業委員会への届出です。相続で受け継ぐときに許可は要りませんが、その代わり届出が義務になっています。
- 相続登記——2024年4月から義務。取得を知った日から3年以内。これを経ないと買主へ所有権を移せません。
- 届出(農地法3条の3)——取得を知ってから10か月以内に、農地のある市町村の農業委員会へ。怠ると10万円以下の過料の対象です。
もうひとつ、相続人のどなたかが農地の相続税の納税猶予を受けていないかを確かめてください。猶予を受けた農地を売る・転用すると猶予が打ち切られ(面積の20%超なら全額)、利子税を付けて納めることになります。
農地のまま売るとき、誰が買えるのか?
農地法3条の許可を受けられる人、つまり実際に耕作する人です。2023年4月に面積の下限は廃止されましたが、「誰でも買える」にはなっていません。
許可で見られるのは、取得する農地を含めてすべてを効率的に耕すか、農作業に常に従事するか(個人で年150日以上が目安)、周りの農地の使い方に支障を出さないか、の三点です。
買い手は、隣で耕している方や近くの農家の方、そして畑つき・自給のできる暮らしを条件に探す20代〜40代の方たちです。茅野市豊平あたりでは、過去20年ほとんど動かなかった田畑が、2026年に入ってから10件動いています。
集落の中の田は、水を入れる順番、水路の泥上げ、あぜの草刈りといった区(自治会)の取り決めと一体で動いています。その役を引き継げる買い手かどうかで話がまとまるかが変わる。登記簿にも公図にも書かれていない条件です。いま人に貸しているなら、その方に買っていただくのがいちばん早いことも少なくありません。
宅地にして売れるのは、どんな農地か?
その農地が「青地」か「白地」か、どういう場所にあるかで決まります。場所で決まることなので、持ち主の努力では変えられません。
青地(農業振興地域の農用地区域内)は原則として転用できず、先に農振除外が要ります。受付は年に1〜2回ほど、判断まで半年から1年、認められないこともあります。白地なら余地はありますが、まとまった優良農地の真ん中より、集落に接して道路や水路が整った場所のほうが通りやすい。
転用の許可は「その土地に何をつくるか」と一体で審査されるため、持ち主が先に転用だけ済ませる進め方は通りにくいと考えてください。当社が買い取って手続きを進め、隣の家や宅地と合わせて「家と畑がそろった土台」として渡すことがあります。
農地の値段は、何で決まるのか?
いちばん大きいのは転用できるかどうか。農地のまま売るなら、耕しやすさ(水・日当たり・形・車の入り)で決まります。
先に厳しいほうを申し上げます。農地のまま売る値段は同じ地域の宅地より大きく下がり、1筆あたり数万円〜数十万円、固定資産税の数年分にしかならないこともあります。 1筆だけが思いがけず高く売れるホームランはありません。
そのうえで、農地の値段は机の上では出せません。近くで売れた事例がほとんどなく、同じ「畑」でも、水がどこから入るか、南に開けているかで値打ちが分かれるからです。
それでも動かない農地はあります。その場合は、隣で耕している方への打診、時機を待つ、相続土地国庫帰属制度の検討、「持っていてかまわない」と決める——この四つから選びます。
八ヶ岳ライフが扱わない農地の相談は?
太陽光発電の用地として売る・貸すご相談と、投資や転売だけを目的とした取得のご相談は、お受けしていません。 対応エリアも茅野市・原村に限っています。ただし、小さな畑1筆でも相談はお受けします。
よくある質問
Q. 農家でない自分でも、農地を相続できますか? できます。相続に農地法の許可は要りません。その代わり、取得を知ってから10か月以内に農業委員会へ届け出ます。
Q. 県外に住んでいて、畑の場所も分かりません。 固定資産税の納税通知書の地番が分かれば十分です。公図と登記を取り、役所で区分を調べ、現地で一筆ずつ突き止めます。
不動産鑑定士・朝倉宏典より
農地は、持っている方がいちばん「どうにもならない」と感じやすい土地です。けれど、売れないのではなく、道を間違えると進まない土地です。土地ごとに売り方を選べます。 一筆ずつ区分を調べ、現地で水の入り方を見てから決めましょう。
査定のお申し込みは、納税通知書の地番だけで始められます。 土地を売りたい方の査定のお申し込み
出典
- 農地法3条の3(相続等による権利取得の届出・10か月以内・10万円以下の過料):各市町村農業委員会の案内、農地法第69条
- 農地法3条の許可要件と下限面積要件の廃止(2023年4月1日):農林水産省、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律(令和4年法律第56号)
- 相続登記の申請義務化(2024年4月1日・3年以内):法務省
- 農地等の相続税の納税猶予(譲渡・転用による打ち切り・利子税・20%基準):国税庁
- 茅野市豊平の田畑の動き・買い手の年代:当社の仲介・査定実績(2026年時点)

