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2026/09/03相続でいちばん時間がかかるのは「この地番はどこか」——親が元気なうちに聞く四つのこと
相続でいちばん時間がかかるのは「この地番はどこか」——親が元気なうちに聞く四つのこと
相続のご相談で、いちばん時間がかかるのは登記でも税金でもありません。「この地番はどこにあるのか」を突き止めるところです。県外にお住まいだと、半年かかることもあります。そしてこれは、親御さんが元気なうちなら、五分で終わっていた話です。
2025年から2035年は、団塊の世代の相続が集中する十年です。引き継ぐ側の多くは五十代から六十代で、親の土地に立ったことがないまま名義だけを受け取ります。八ヶ岳西麓(茅野市・原村・富士見町)で年間三百件を超える査定をお受けしていて、その入口の詰まり方は毎回よく似ています。
相続が起きる前に、何をしておくと後が楽になりますか?
土地の「場所・種別・境界・いま誰が使っているか」の四つを、親から聞いて紙に残しておくことです。
地番ごとに、四行で足ります。
【地番】原村◯◯番 場所:一緒に現地に立った(◯年◯月) 種別:畑/税金はかかっていない 境界と隣:南は◯◯さん、立会いはこの方に頼む 使用者:◯◯さんが作っている/水の当番は春一回
現地に立つのは、春から秋のうちに。冬は雪で畦も境界標も見えません。
なぜ、相続してからでは分からなくなるのですか?
この地域の土地は、情報の半分が書類ではなく人の記憶の側に置かれているからです。
水路の当番、田を頼んでいる相手、山の境の木、区の役。どれも登記簿には出てきません。親御さんが亡くなると、同じ日に情報のほうも途切れます。
課税されていない山林や私道は納税通知書に載らないこともあり、存在に気づけません。2026年2月に始まった所有不動産記録証明制度で筆の一覧は取れるようになりましたが、分かるのは「筆があること」までで、どう使われてきたかは出てきません。
親が元気なうちに売ってしまったほうがいいのですか?
急ぐ必要はありません。ただし農地・共有名義・境界が決まっていない土地だけは、本人が動けるうちのほうが確実に早く終わります。
農地は農業委員会の許可がいり、月一回の総会に合わせて進みます。境界は隣接地の立会いが前提です。どちらも、名義人本人が説明でき判を押せるかどうかで、所要期間が一〜数か月変わります。相続後に名義が分かれると、同じ手続きが人数分の合意を抱えます。
税の有利・不利は税理士の領域です。私たちがお伝えできるのは、手続きの重さの側です。
生前に査定だけ取っておく意味は、金額よりも仕分けにあります。相続は五筆から二十筆を超えることもあり、当社で買い取って動かせる筆・他社へ渡す準備をする筆・今は動かない筆に分かれます。それが先に分かっていれば、相続後の十か月(申告期限)を調べ物ではなく判断に使えます。農地転用・境界確定・水利や排水の調整は自社で段取りしますので、査定の段階から一緒に組み立てられます。
朝倉所見——現地に一緒に立つと、何が起きるか
(※この節は朝倉さんの実感に置き換えてください。以下は骨組みの案です)
査定で相続人の方と現地をご一緒すると、親御さんの記憶のほうが図面より正確なことがよくあります。境界標が藪に沈んでいても、「あの木のところから向こう」と言われた線が、測量とほとんど食い違わない。
もう一つ。茅野市豊平では、二十年以上動かなかった田んぼがこの一、二年で十件動きました。買い手は二十代から四十代で、動機はほぼ全員が「自分で作りたい」です。単独では売れないと言われてきた畑や田が、住宅とセットにすると動く——だからこそ、どの筆がどこにあり、いま誰が使っているかを先に押さえておくことに意味があります。
区の役は、引き継ぐと負担になりませんか?
この地域の区は、一人が背負う形ではなく、みんなで薄く役を分け合う形で回っています。
一つ引き受ければ、地域の側から情報が入ってきます。境界の立会い、水の使い方、隣の土地の動き——土地を動かすときに要るのは、まさにその情報です。親御さんがどの役を引き受けてきたかを聞いておくと、引き継ぐかどうかを含めて選べます。
なお、太陽光発電設備・大型蓄電池・宿泊事業用の物件は扱っていません。自社買取の対象は三町村です(査定・売却のご相談は県内で承ります)。
まとめ——書類は後から取れる。記憶は取れない
相続した土地が動かなくなる原因は、その土地が悪いからではありません。どこにあるか分からないか、どう使われてきたか誰も知らないか、そのどちらかです。制度の側は「漏れ」を塞ぐ方向で整ってきました。残るのは記憶の側で、ここだけは親御さんが元気なうちにしか回収できません。
一緒に現地に立つ。四つを聞く。紙に残す。それだけで、十年後の入口は違う景色になります。
相続前のご相談も承っています
「売る前提ではないが、いくらぐらいのものか知っておきたい」「どれが動く土地なのか先に仕分けたい」——そうしたご相談で構いません。
水曜定休・土日は予約制。ご相談は平日の日中に承っています。

